国内生産のわけ



先日、とあるインタビューで

「WORKERSの製品は、ほとんど自社から車で1時間以内で行ける工場で作っています」と伝えたところ
「それはなぜ?」
と聞かれました。

結論からいえば、そうしないと私の望む製品ができないからです。


服にせよ、カバンにせよ、物を作るというのはどれだけ下準備をしようと、それでもなお、作っている最中に調整が必要になります。

先日の、裂けてしまったClassic Shirt、あれは一番ひどい例です。あの時も、工場から工場へ、実際行って、見て、すぐに善後策を取ってと対応しました。

その他にも、たとえばカバンのパイピング一つとってもうまくできなければ、金具を少し作り変えてみたり、テープの幅を変えたり。

「それは工場の仕事じゃないのか?」と言われた事もあります。確かに、そういう考え方もありますが、それらすべてを工場に任せてしまったら何のための「メーカー」でしょうか。

私は、そういった生産上の細かな調整も、現場に行って、一緒に考えて対応出来るメーカーでありたいのです。
なので、WORKERSの製品はMade in Japanなのです。ただ、すべてMade by Japaneseであるかと言われれば、それは違います。

弊社の製品も、一部に海外からの研修制度により働きに来てくれている方達の力を借りています。
日本は移民を受け入れておらず、縫製の現場に労働力が不足しているのは現実です。
Made in USAもいろいろな国出身の人が作っていたものです。アメリカは移民の国ですから。

Made by Japaneseでなければいけないというのは、どう考えても差別であり、私は受け入れる事ができません。

国籍云々よりも、目の届く範囲で、コミュニケーションを取りながら物を作ってこそ、本当に納得いく物が私は作れるのだと思います。



だからといって、海外からの輸入品が駄目とかそういう話ではなく、あくまで、メーカーのやり方、姿勢の問題であり、こういうやり方が本物とか、ニセモノとか、簡単に白黒つく話ではないのです。

最終的には、買って、着ていただける方に満足してもらえる製品を作る事が目的であり、その手段は、いろいろあって良いのだともいます。たまたま、私はこういうやり方です、という話でした。

先日のインタビューは英語だったので、中々ここまで突っ込んで話せたか不安だったので、一度、日本語でまとめてみました。